
Updated:2026.06.26
創業5年で100人へ。成長軌道を描く「クラウドセントリック」がオフィスに求めた拡張性と自社カルチャーの醸成
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2023年に創業し、三菱電機グループのAWS専業クラウドインテグレーターとして事業を展開するクラウドセントリック株式会社。「クラウドで『ワクワク』を」をタグラインに先鋭的クラウドエンジニアの集団として、2027年度末までに人員を100人規模の組織に成長させる計画です。IT企業を中心にリモートワークが普及する一方、同社はエンジニア同士のコミュニケーションが生みだす価値に着目し、出社を原則として対面から生まれる協働や創発を大切にしています。同社はどのような狙いからWeWorkに入居し、どのように活用しているのでしょうか。
■入居のきっかけ
・親会社のオフィスの一部を借りる選択肢もあったが、独自のカルチャーを持つ組織をつくるため、自社のオフィスを模索
・創業5年で100人規模の企業に成長させる目標から、拡張可能なワークスペースが必要だった
・一般的な賃貸オフィスも検討したが、増員に伴う移転で必要となるコストとの比較でWeWorkを選択
■WeWork入居後に生まれた効果
・多様な企業が同じ空間でビジネスを行う環境が大きな刺激となり、独自カルチャーの醸成を後押し
・グループワークや個人作業など用途に応じた多様なワークスペースを活用でき、増員に合わせた柔軟な拡張も可能に
・移転を伴わずにスペースを段階的に拡張でき、賃貸オフィスと比較したコストパフォーマンスの高さを実感
5年で100人規模に。成長を期すクラウドセントリックがWeWorkを選んだ理由
―2024年6月からWeWork KDX 虎ノ門1丁目を利用されています。入居に際してどのような経緯があったのでしょうか。
浅井浩司氏(以下、浅井):もともと当社はジョイントベンチャーとして2023年に創業しましたが、三菱電機デジタルイノベーション株式会社の100%子会社になったタイミングで、自社のオフィスを模索することになりました。創業5年で社員100名規模への成長を目標に掲げていたため、単なる執務スペースではなく、組織拡大とカルチャー醸成を支えられるオフィスが必要だったのです。
通常なら賃貸オフィスやシェアオフィスが主な選択肢になりますが、当社の場合は親会社のオフィスの一部を借りるという選択肢もありました。コスト面ではそれが最も経済的になりますが、独自の組織としてカルチャーを醸成して成長につなげたいという思いから、自社独自のオフィスで活動する道を選びました。
クラウドセントリック株式会社 取締役社長 CEO 浅井浩司 氏
複数のオフィスを検討しましたが、最終的には契約の柔軟性、立地、コストなど総合的に判断して、WeWork KDX 虎ノ門1丁目を選択しました。現在、39席のプライベートオフィスを活用する他、親会社やグループ会社に出社することが多いメンバーはオールアクセスプラス(全国の WeWork 共有スペースを利用できるサービス)で日々の業務に当たっています。
増員に合わせて今後スペースを柔軟に拡張できることが、大きな決め手になりました。また、開放感のあるインテリアや、多くのスタートアップ企業が活動する雰囲気も魅力ですが、さまざまな拠点が利用できること、共有ラウンジでも仕事ができることなど、席数以上にワークスペースが確保できる点は、WeWorkならではのメリットです。
―WeWork利用に際して、親会社の承認はスムーズに得られたのでしょうか。
浅井:賃貸物件とのコスト比較など、合意を得るための説明は欠かせませんでした。一般的なオフィスビルの賃貸物件と比較するとWeWorkはコスト高に見えますが、入居時の工事費や通信などのインフラ整備にかかる費用、什器や家具の購入費、保証金、退去時の原状回復費などが不要なことから、親会社への説明に足るコスト根拠があると判断しました。
また、今後の人員増強を考えると必ずスペースの拡張が必要になるため、賃貸物件では移転のたびにこうした入退去時の費用が発生します。そこで、WeWorkと賃貸オフィスを比較してシミュレーションを行ったところ、従業員が100人に達する前にWeWorkのコストパフォーマンスが賃貸オフィスを上回る分岐点が訪れることが分かりました。こうした定量的なファクトをベースに資料をまとめ、親会社の了承を得ることができました。
自社オフィスでは味わえない刺激が従業員成長の糧に
―実際にWeWorkを利用するようになって感じた印象を教えてください。
小林 敦氏(以下、小林):WeWorkには、私たちよりアーリーステージにあるスタートアップ企業がたくさん活動しています。ステップアップしていく企業もあれば、そうでない企業もあると思いますが、いずれにしてもビジネスのダイナミズムを感じます。
また、アメリカ西海岸の企業と仕事をしているような企業では、夕方来て朝帰るといったスタイルで仕事をしています。そのような外部の刺激を常に得ることができます。
クラウドセントリック株式会社 取締役 COO 小林 敦 氏
浅井:さまざまな企業が入居していますが、思った以上に共用ラウンジで仕事をしている方が多いことに驚きました。若い方が真剣にビジネスの話をしている姿も珍しくありません。ある程度規模の大きな企業の感覚だと新卒で入ってきた従業員は時間をかけて大切に育てるイメージですが、ここで見かける方たちは若くして一人のビジネスパーソンとして責任を持って仕事を回している印象を受け、頼もしいなと感じます。
当社の現在の顧客は三菱電機グループの企業がメインですが、今後事業を伸ばしていくためにはグループ以外の顧客を増やしていく必要があります。そのためにもエンジニアには広い視野を持って日々の活動に当たってもらいたいという思いがあります。その面でもWeWorkは、入居している他の企業とのネットワーキングの機会があり、当社のエンジニアがこの空間で業務を行うことで、会社の中にいるだけでは得られない新しい刺激や知見を得られます。
長尾正人氏(以下、長尾):WeWorkで感じるこれまでの職場との違いは明確でした。服装やエレベーターの乗り方、聞こえてくる会話の内容など、何もかもが新鮮に映ります。典型的な従来型のオフィスにいた私にとって、ここにいること自体が仕事の在り方を見つめ直すリスキリングそのものだと感じます。
クラウドセントリック株式会社 経営管理部長 長尾正人 氏
―従業員の皆さんがWeWorkを活用する様子から、どのようなことを感じていらっしゃいますか。
小林:虎ノ門は日比谷線、銀座線、千代田線が利用できる便利なエリアで、大きなオフィスビルがいくつも建設中です。大手IT企業の本社が複数移転してくるなど活気があり成長著しい印象から、評判はいいですね。
浅井:当社は成長途上の会社であり、従業員の平均年齢も29歳と若い人材が多い会社です。そのため入社後の経験などで育つ伸びしろは大きく、成長のスピードを上げるうえで対面の環境は重要な要素です。周囲にいる先輩から直接、タイムリーかつニュアンスも含めて詳細に学べることから、出社を基本にしています。さらに、その出社先がWeWorkのような創発を促す空間であることが、出社の価値をいっそう高めていると考えています。
小林:WeWorkには、一般的なオフィスにはない活用価値があると感じています。先日も、虎ノ門を拠点とする当社のエンジニア数名が、親会社の共創拠点「Serendie Street Yokohama」に近い「WeWork オーシャンゲートみなとみらい」の会議室に集まり、集中的な議論を行いました。普段とは異なる環境に身を置くことで発想が切り替わり、新たなアイデアが生まれる。そうした機会を自然につくれるのは大きな価値です。
また、WeWorkにはグループワークだけでなく、一人で集中して作業できる空間も充実しており、生産性を高めるための環境がすでに整っています。さらに、顧客との打ち合わせでも活用しており、場所や雰囲気を変えることで、より良い議論や関係構築につながっていると感じています。
長尾:少し別の角度ですが、WeWorkがフレキシブルなワークスペースであることが思わぬところで役に立つのではと感じる点があります。例えばメンタルの調子を整えたいと考えているメンバーがいる場合、これまでの一般的なオフィスでは、出社できるか否かの2択になってしまいますが、WeWorkであれば週に1回など、他の拠点の共有エリアに出社して様子を見るといった対応が可能です。その後、大丈夫そうなら当社のオフィスがあるWeWork KDX 虎ノ門1丁目の別のフロアの共有スペースに出社してもらうなど、段階を踏んで元の勤務形態に近づけていくこともできます。WeWorkには、こうした様々な働き方の幅があるように感じます。
クラウドセントリック株式会社が入居するWeWork KDX虎ノ門1丁目の会議室にて
―クラウドコンピューティングの業界はこれからも大きな需要が見込まれ、競争も激化していくと考えられます。自社の人材は、まさに提供価値の源泉です。どのようなエンジニアを育てていこうと考えていらっしゃいますか。
浅井:設立当初から意識しているのは、「とんがったエンジニアであってほしい」ということです。そのためには、個々のアンテナの感度を高める必要があります。その点WeWorkは、多様な業種・業態や立場の方が同じ空間でビジネスを行っており、意識を高める効果は高いと思います。
WeWorkのどの拠点でも利用できる利点を最大限生かして、パフォーマンスを高めてもらいたいと考えていますが、今のところはまだ制度の整備が追いついていません。親会社の共創拠点に行く際、午前中はWeWork オーシャンゲートみなとみらいで仕事をしてから向かう、または終業後に参加予定のセミナーイベントの会場に近いWeWorkで仕事をしてから参加するなど、活用事例を積み重ね、可能性を模索しているところです。
小林:一部のメンバーは育児休暇で里帰りする際、福岡の実家に近いWeWorkでの勤務を合わせて対応した例や、韓国に実家がある従業員が、帰省した際に休暇の前後でソウルのWeWorkを利用した例などがあります。今後もこうした事例を共有して、従業員が働きやすい環境を整えていけたらと考えています。
長尾:共有スペースであるラウンジなども、小上がり席やファミレス席といったバリエーションがあって、壁面に施されたクリエイティブにも拠点ごとの個性があります。そうした発見や印象を、写真付きでSlackに投稿してもらうなど、拠点によって異なる個性も共有してもらうようにしています。
WeWorkでイベントを主催するなど、発信力のあるエンジニアを育てていく
―プライベートオフィス内は、どのように使っているのでしょうか。
長尾:一部のメンバーは業務上固定のデスクが必要ですが、それ以外はフリーアドレスにしています。
小林:当社はエンジニアが多い会社ですので、勉強の意味も込めてプライベートオフィス内のデスク予約アプリをつくって運用しています。それを見ると、誰がどこに座っているのかが分かりますから、それぞれが仕事をしやすい環境で業務に当たっているようです。
また、業務を行うデスクの他、プライベートオフィスには、4席ほどの個室空間があります。そこは高校や大学の「部室」のような場所として、Raspberry Pi(小型の汎用PC)や3Dプリンターなどが自由に使えるようにしてあり、業務時間中でも活用できる仕組みを整備しました。
IoT技術検証などを自由に行える「部室」のようなエリア
浅井:先ほども触れましたが、当社は出社を基本にして、メンバー同士の交流を促進するようにしています。このラボのようなスペースも、「思いついたらまずはやってみる」というマインドを大切に、ワイガヤの中から生まれる「何か」を期待して、小林さんの発想で設けられたものです。
―今後、さらなるWeWorkの活用を視野に、どのようなことを想定していらっしゃいますか。
浅井:私たちはAWS専業のクラウドインテグレーターですが、単なるエンジニア集団というだけでなく、業界での存在感を示していけたらと考えています。そのため、今後は当社のエンジニアにアウトプットの文化を根付かせていきたいと考えています。AWSには、エンジニアが組織するコミュニティがいくつもありますが、そうした場に積極的に参加して、機会があれば登壇したり、このWeWork KDX 虎ノ門1丁目でも技術セミナーなどのイベントを当社主催で実施したりしていきたいと考えています。
小林:そうした文化を醸成するために、2026年4月から人事制度も一新して、アウトプットの活動は評価の対象になるようにしました。
―創業5年で人員を100人規模にしていく計画に向けて、今後どのように進めていくのでしょうか。
小林:あと2年ほどで100人規模の会社にするため、この1年だけでも30人ほどの人員を採用する予定です。そうなると、当然スペースを拡張する必要性がでてきますが、同じ拠点で席数を増やすか、利用頻度が多いみなとみらいの拠点も活用していくのかなど、今後総合的に判断したいと考えています。




